近年繰り返される、熊本地震や北海道胆振東部地震、そして昨年の能登半島地震では、多くの住宅や地盤の被害が発生しています。大地震による被害は、地盤の揺れやすさの特性や、盛土などの影響、また家屋の耐震性によって状況が変わるということが繰り返されています。
特に能登半島地震では、同じ地域の中で被害状況が全く違っていたケースもありました。発災後の綿密な現地調査と、地盤・住宅を対象とした「常時微動探査」という調査を行うことで、被害の傾向と実態が明らかになってきております。本講演では、それらの最新の情報についてお話しします。
また、現状の地震防災の課題として、家庭ごとに被害を想定した備えという点まで踏み込んだ対策が不十分という点があると考えます。実際の地震でどのような被害があったのか。注意したい点はどこか。現地調査及び各種情報から地盤と建物被害を検証した結果をもとに、個人の方から住まい、建築、不動産プレイヤーまで知っておきたい、大地震から命を守る対策についてお話しします。